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執筆者の写真Toru Iwanami

りんご🍎の木との会話!!(剪定)

更新日:2021年8月31日

りんごの木との挨拶

りんごの木との挨拶は2月でした。

畑を借りている師匠とJAの方に剪定のやり方を指導していただいた時です。


「日当たり」「作業性」「薬がかかるか」などを考え、腐乱病がないかどうかを確認して、大きな枝から小さな枝を剪定していきます。


でも、これがとても難しい。

どれをどうすればいいのか迷いまくります。


師匠は「好きなように切っていい」と言うが、とてもそんな風にできない。

それでも切らなければならない。


何が何だかわからないまま、とりあえず切ってみる。またちょっと切ってみる。

すると森全体がザワザワしだした。ガサガサ、ゴソゴソ、ゾワーッ。

後ろに誰かがいるような気さえしてきた。

振り返る。誰もいない。いるのは木だけ。


誰かに見られているような空気の中剪定を進めていきました。

ゆっくり、ゆっくり、考えながら、確認しながら。


枝に肩を叩かれたり、帽子をとられたり、服をつかまれたりするうちに、

ふと、気がつきました。

「木に聞けばいいじゃん」

「木のことは木に聞けばいいじゃん」


風で枯れ葉が躍る中、神経を集中して木に聞いてみました。

「どれを切ればいいんですか?」

沈黙。でも、何かを感じます。「だるまさんが転んだ」のみんなが止まっている状態。


もう一度。今度はハサミをゆっくり左右に動かしながら、

「どれを切ればいいんですか?」

すると、枝の方から「これです」と示してくれたのです。

違うのを切ろうとすると、「違います」とも言ってくれます。


私はどんどん楽しくなってきました。

「どれかな〜?」「これかな〜」などと言いながら、チョキチョキ進めていきました。

まるで、床屋さんのように。

そう床屋さん!

全く知らない人にいきなり髪の毛を切られるようなもんだ。

そりゃ、木も不安になります。


それから私は、畑に行くたびに木に挨拶します。

「おはようございます。よろしくお願いします」


そんな風に剪定を進めた2月、3月でした。




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